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Fig-6 Seasona1 changes in the total species of fish and other animals of 5 stations

での種類数が多い傾向を示している。
(2)湿重量は春季に多く秋季に妙ない季節的消長を示しながら増加し、近年では横ばい傾向にある。組成は種類数と同様に紅藻植物が最も多くなっている。護岸構造別にみると、調査点?では概ね100g/?以下で春季でも500g/?を超えることは希である。一方、傾斜護岸では、春季には1,000g/?以上を示す場合が多い。
3-4付着動物
(1)種類数は明瞭な季節的消長を示さず増加傾向にある。種類数組成は節足動物が最も多く、次いで環形動物、軟体動物の順になっている。護岸構造別には調査点?では30〜110種類、傾斜護岸では30〜120種類の範囲で変動しているが、構造の違いによる差はみられなかった。
(2)固体数は春季〜夏季に多く、冬季に少ない季節的消長を示している。固体数組成は種類数と同様に節足動物が最も多く、環形動物、軟体動物の順になっている。護岸構造による違いをみると、垂直護岸では春季〜夏季にかけて、20,000〜90,000固体/?、傾斜護岸では20,000固体/?以下で垂直護岸での固体数が多い傾向を示している。
(3)湿重量は、1991年まで増加した後1993年まで横ばいで推移し、1994年以降は減少傾向にある。湿重量組成は軟体動物が最も多い。また、護岸構造による違いをみると、垂直護岸は調査期問を通じて傾斜護岸より多い傾向を示しており、最大で40?/?以上となっている。

4.データ解析

4-1波浪環境
空港島護岸の付着生物の分布と波浪の関係を見出すため、5年間(1985年〜1993年)の観測で得た波浪を理論上求めた係数を用いて補正し、付着生物調査点別波浪を推算した。
(1)護岸近傍(調査点???)
計算方法は、島堤(一文字堤)による反射と半無限堤による回析を組合せた。
また、波浪条件として、ブレッドシュナイダ光易のスペクトルで表される不規則波として、方向集中度パラメータSmax=10とした、計算では周波数M=5、方向N=36に分割し、各成分波を規則波として計算の後エネルギー合成によって不規則波の波高を求めた。波高比は護岸から30mの地点に沿って約100m間幅の計算点を設定して、波高観測地点及び付着生物調査地点を含めた122点の波高比を求めた。
(2)推算結果
測点別、波高別、波浪の発生状況は、各測点ともに毎年同じような傾向を示しており、測点?-?-?-?-?の順に静程度が高い。また、波当たりも?-?-?-?-?の順に弱い。
1993年の推算結果を季節別に見ると、測点?を除く各測点では11月〜4月の間に50調を超える波浪の割合が高くなっている。50cmを超える波浪の割合に着目すると、2〜4月は測点?-?-?-?-?、5〜7月は測点?-?-?-?-?の順に、8〜10月は測点?-?-?-?-?の順に、11〜2月は測点?-?-?-?-?の順にそれぞれ静程度が高いことが分かった。
一方、氷粒子の水平方向の速度を水深別に算出して波浪の影響を把握した。これによれば波高0.5mの場合の水深-5mの深さにおける海水の動きは、表層に比べて小さい。測点?、?、?では波高50cm以下の波の発生頻度が50%を超えており、-5m水深における波浪の影響は非常に小さいものと考える。
4−2光現境(光の相対強度)
海面照度を直達光のみに起因するものとして、護岸別に日照時間及び1分ごとに相対強度を求めてその値を1年間積算した。その結果、測点?の海面における年間積算値を1とした場合、測点?〜?の各点の相対光強度はそれぞれ9.7:19.8:11.1で、測点?-?-?-?の順に光条件に恵まれていることが分かった。
4-3流れ
3深度(表、中、下の各層)の流向、流速について、10年間(1984年〜1993年)のデータを解析した。
(1)表層の流向はWSWとSWに集中し、主として下げ潮時に生じている(上げ潮はほぼ反対向きのNNEとN方向に集中)。また、WSWとSWの発生頻度が51.1%であるのに対して、NNEとNは22.4%と少ない。流速もSWに比べてNNE方向は20%小さくなっている。これらから空港島周辺の流れは南西方向に輸送されていることになる。
(2)中、下層中、下層ともに表層と良く似た頻度分布となっている。下げ潮を中心にSW方向の流れが集中的に生じている。中層では39%、下層では36%がこの方向に発生している。また、上げ報時の流向はN,NNEで表層と比べて大きな変化がない。

 

 

 

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